赤ちゃんの予防接種スケジュール|月齢別に何をいつ打つか
要点: 日本の定期接種は生後2か月から始まります。ロタウイルス、B型肝炎、小児用肺炎球菌、五種混合の4種類を同時接種するのが標準で、2回目は3か月、3回目は4か月。BCGは生後5〜8か月、1歳の誕生日にはMR1期・水痘・五種混合と肺炎球菌の追加が並びます。定期接種は公費負担で自己負担はありません。予診票と母子健康手帳を持って、かかりつけの小児科へ。
「うちの子はどのワクチンをいつ打つのだろう」。新生児期にいちばん多く聞かれる質問のひとつです。幸い、この質問には明確な答えがあります。日本では予防接種法にもとづく定期接種の枠組みがあり、どのワクチンをどの月齢で接種するかが決まっています。この記事では、その流れを月齢ごとの表に整理し、それぞれのワクチンが何から守ってくれるのか、接種後に何に気をつければよいのかをまとめます。
定期接種と任意接種の違い
日本のワクチンは大きく2つに分かれます。
定期接種は予防接種法で定められたもので、対象年齢の範囲内であれば公費負担、つまり自己負担なしで受けられます。市区町村が委託している医療機関で、送られてくる予診票を使って接種します。
任意接種は法律上の定期接種には含まれないもので、原則として自己負担です。おたふくかぜ、インフルエンザ、髄膜炎菌などがこれにあたります。ただし自治体によっては助成制度があり、おたふくかぜの費用を一部補助している市区町村も少なくありません。お住まいの地域の案内を確認してください。
「任意だから重要でない」わけではありません。任意接種のワクチンも、防げる病気の重さは定期接種のものと変わりません。かかりつけの小児科と相談して決めるべきものです。
月齢別の予防接種スケジュール
| 時期 | 接種するもの | 備考 |
|---|---|---|
| 出生時 | ビタミンK2シロップ(ワクチンではありません) | 出生時・生後1週・1か月健診の3回が基本。施設によっては3か月間毎週のこともあります |
| 生後2か月 | ロタウイルス①、B型肝炎①、小児用肺炎球菌①、五種混合① | 定期接種の開始。同時接種が標準 |
| 生後3か月 | ロタウイルス②、B型肝炎②、小児用肺炎球菌②、五種混合② | |
| 生後4か月 | ロタウイルス③、小児用肺炎球菌③、五種混合③ | ロタは1価ワクチンなら2回で終了、5価なら3回 |
| 生後5〜8か月 | BCG | 標準は生後5か月〜8か月未満。管針法で上腕2か所 |
| 生後7〜8か月 | B型肝炎③ | 1回目から139日以上あけて接種します |
| 1歳の誕生日以降すぐ | MR1期、水痘①、五種混合(追加)、小児用肺炎球菌(追加) | おたふくかぜ①は任意接種 |
| 1歳3か月頃 | 水痘② | 1回目から3か月以上、標準は6〜12か月後 |
| 3歳 | 日本脳炎①② | |
| 4歳 | 日本脳炎③ | |
| 年長(就学前1年間) | MR2期 | 接種できる期間が1年間に限られます |
自治体や医療機関によって進め方に細かい違いがあり、ワクチンの種類や接種回数も見直されることがあります。最終的な確認は必ず、母子健康手帳と一緒に届く案内、市区町村の予防接種のページ、そしてかかりつけの小児科で行ってください。
記録はアプリにおまかせ
授乳・睡眠・予防接種・成長をワンタップで記録し、リマインドはBaby Wallieへ。7日間無料でお試しいただけます。
それぞれのワクチンは何から守るのか
名前だけ見ると分かりにくいので、役割を並べておきます。
- ロタウイルス: 乳幼児の重い胃腸炎の原因になるウイルスです。脱水で入院に至ることも珍しくありません。飲むタイプのワクチンで、注射ではありません。
- B型肝炎: 肝臓の炎症を起こし、長い年月をかけて肝硬変や肝がんにつながることがあるウイルスから守ります。
- 小児用肺炎球菌: 髄膜炎、肺炎、中耳炎の原因になる細菌に対するワクチンです。
- 五種混合(DPT-IPV-Hib): ジフテリア、百日せき、破傷風、ポリオ、ヒブによる髄膜炎。1本で5つをまとめて防ぎます。2024年から従来の四種混合とヒブを1本にまとめた形になり、赤ちゃんが受ける注射の回数が減りました。
- BCG: 結核、特に赤ちゃんに起きる重い形(粟粒結核や結核性髄膜炎)を防ぎます。
- MR: 麻しん(はしか)と風しんの混合ワクチンです。麻しんは感染力が極めて強く、肺炎や脳炎を起こすことがあります。
- 水痘: みずぼうそう。かゆみの強い発疹だけでなく、重症化することもあります。
- 日本脳炎: 蚊を介して感染し、脳炎を起こすことがあるウイルスに対するワクチンです。
- おたふくかぜ(任意): 難聴を残すことがあるため、任意接種のなかでは特に相談する価値があります。
生後2か月:すべてが始まる日
生後2か月は、定期接種のなかでいちばん密度の高い日です。ロタウイルス、B型肝炎、小児用肺炎球菌、五種混合の1回目を同じ日にまとめて接種するのが標準的なやり方です。
「小さな体に4種類も、大丈夫だろうか」と思うのは自然なことです。ただ、同時接種の安全性は国内外で確認されていて、免疫の付き方が弱くなることもありません。逆に、1本ずつ日を分けていくと、通院の回数が増えるうえに、守られていない期間がその分だけ長くなります。
予約は生まれてすぐに取ってください。 生後2か月ちょうどの日に接種できるよう、退院後の落ち着いた時期に、かかりつけにする小児科へ電話を入れておくのが実際的です。特にロタウイルスは1回目を生後14週6日までに受ける必要があり、この期限を過ぎると開始できません。ここだけは日程の余裕がありません。
この月齢の赤ちゃんに何が期待されるかは月齢別の赤ちゃんの発達にまとめています。接種の日は、お腹が満たされてよく眠れた状態のほうが親も子も楽です。授乳のリズムづくりについては新生児の授乳間隔も参考になります。
生後3か月・4か月:シリーズを続ける
3か月では2か月に始めたものの2回目を、4か月では3回目を接種します。新しい種類は増えません。B型肝炎だけは3回目の時期が違い、1回目から139日以上あけるため、生後7〜8か月頃になります。
ロタウイルスは製品によって回数が異なります。1価ワクチン(2回接種)なら生後3か月で完了し、5価ワクチン(3回接種)なら生後4か月まで続きます。どちらを使うかは医療機関によりますが、効果に大きな差はないとされています。途中で種類を変えないことが原則なので、初回に使ったものを最後まで続けます。
生後5〜8か月:BCG
BCGは日本独特の接種方法をとります。注射器ではなく、管針法と呼ばれる方式です。9本の細い針が並んだスタンプ状の器具を、上腕の外側2か所に押し当てて接種します。「はんこ注射」と呼ばれるのはこのためです。
接種当日は跡がほとんど目立ちませんが、1〜2か月ほどたつと赤く腫れ、膿のようなものが出ることがあります。これは失敗でも感染でもなく、予定どおりの反応です。そのままかさぶたになり、点状の小さな跡が残ります。消毒したり絆創膏で覆ったりする必要はなく、自然に乾かしておいてください。
ひとつ知っておいてほしいことがあります。接種から10日以内に同じような強い反応が出た場合は、コッホ現象といって、すでに結核に感染している可能性を示すことがあります。この場合はすぐに医療機関へ連絡してください。通常の反応は接種の1か月以上あとに出るもので、時期がまったく違います。
定期接種としてのBCGは1歳になるまでが対象です。標準的な時期は生後5か月から8か月未満なので、この間に予約を入れておきましょう。
1歳の誕生日:2度目の山
1歳は、生後2か月と並ぶもうひとつの密度の高い時期です。MRの1期、水痘の1回目、五種混合の追加、小児用肺炎球菌の追加が並びます。おたふくかぜを受ける場合も、多くはこのタイミングです。
ここでよくある誤解を一つ。MRは「1歳になってから」でないと接種できません。生後11か月では受けられず、誕生日を迎えて初めて対象になります。そして麻しんの感染力の強さを考えると、誕生日を過ぎたらできるだけ早いほうがよい。「1歳になったら」ではなく「1歳になった週に」と考えておくくらいがちょうどよいでしょう。
もうひとつ。五種混合の追加は、3回目から6か月以上あけて接種します。生後4か月で3回目を終えていれば1歳頃には条件を満たしていますが、途中で遅れがあった場合は間隔の計算が必要になります。医療機関が確認してくれます。
この時期は1歳6か月健診に向かう時期でもあります。歩き始めやことばの様子については生後12か月の発達を参考にしてください。
接種当日の準備
準備といっても大げさなものではありませんが、いくつか押さえておくと当日が楽になります。
- 母子健康手帳と予診票を必ず持参する。 手帳がないと接種記録が残せず、その場で接種できないこともあります。
- 予診票は事前に書いておく。 待合室で赤ちゃんを抱えながら記入するのは想像以上に大変です。
- 服は着せ替えやすいものを。 赤ちゃんのワクチンは主に太ももに接種します。前開きの服や、脱がせやすいズボンが便利です。
- 抱っこしたまま受ける。 肌の触れ合いと親のにおいは、それだけで赤ちゃんを落ち着かせます。接種の直後に授乳すると、泣く時間が短くなることが多いものです。
- 接種後30分は近くで様子を見る。 強いアレルギー反応は非常にまれですが、起きるとすれば接種直後です。医療機関の指示に従ってください。
- その日の予定は詰め込まない。 来客や長距離の移動は別の日に。機嫌が悪くなる可能性を見込んでおきましょう。
- 親も気負わないこと。 泣いている姿を見るのはつらいものですが、その数秒は何年分もの守りと引き換えです。
軽い鼻水程度で接種を延期する必要はないことがほとんどです。ただし判断するのは医師なので、自己判断でキャンセルせず、まず電話で相談してください。
接種後の反応と、受診の目安
よくある反応は次のようなものです。
- 接種した部位の赤み、軽い腫れ、押すと痛がる
- 軽い発熱、だるさ、睡眠のリズムが一時的に乱れる
- いつもより機嫌が悪い、よく泣く
- BCGでは、接種から1〜2か月後に接種部位に出る反応(予定どおりの経過です)
これらはたいてい1〜2日で自然におさまります。抱っこと授乳、必要であれば医師に勧められた解熱薬で十分なことがほとんどです。接種当日の入浴は問題ありませんが、接種部位を強くこすらないようにしてください。
一方、次の場合はすぐに医療機関へ連絡してください。
- 下がらない熱、あるいは非常に高い熱
- 何時間も泣きやまず、あやしても落ち着かない
- 全身の発疹、顔や唇の腫れ、呼吸が苦しそう
- 明らかにぐったりしている、飲むことを完全に拒む
- けいれんのような動き
夜間や休日で判断に迷うときは**小児救急電話相談(#8000)**が使えます。呼吸がおかしい、けいれんが続く、意識がはっきりしないという場合は119番です。
なお日本には予防接種健康被害救済制度があります。定期接種で健康被害が生じ、その因果関係が認められた場合に給付を受けられる仕組みで、市区町村の窓口が申請の入り口になります。
予定を逃してしまったとき
生活はスケジュール通りには進みません。赤ちゃんが熱を出す、引っ越しが重なる、単純に忘れる。どれもよくあることです。
遅れても、最初からやり直しにはなりません。 続きから接種を再開すれば、それまでに打った分の効果はそのまま残ります。かかりつけの小児科に連絡して、残りの日程を組み直してもらってください。
追いかけるときに役立つ実務的なこと。
- 母子健康手帳を必ず保管する。 接種の公式な記録であり、保育園や幼稚園の入園時にも提出を求められます。
- 接種のたびに手帳に記載されているか確認する。 まれに記入漏れがあります。その場で見ておくのがいちばん確実です。
- 年に一度、残りを見直す。 4歳や年長など、間があく時期こそ抜けやすいところです。
- 聞きたいことは書いて持っていく。 診察は短時間です。メモがあると忘れずに済みます。
記録の管理について
出生から就学前まで、接種の回数はかなりの数になります。寝不足の日々のなかで「次はどれだったか」を頭の中だけで管理するのは、正直なところ無理があります。
Baby Wallieでは接種の記録と次回の通知を管理できますが、ここははっきり書いておきます。アプリに組み込まれている予防接種スケジュールはトルコのもので、日本の定期接種とは中身も時期も違います。日本にお住まいの方が使う場合は、上の表や母子健康手帳の予定にあわせて日付を手で入力し直す必要があります。日本のスケジュールがそのまま入っているわけではありません。同じ理由で、このサイトの予防接種スケジュール計算もトルコの制度をもとに計算しています。参考程度にとどめ、日本での接種計画は母子健康手帳と市区町村の案内に従ってください。
また、アプリの表示言語は英語とトルコ語のみです。このサイトは日本語で読めますが、アプリの画面は日本語になっていません。Wallie AIに日本語で質問すれば日本語で返答が来るので、「BCGの跡が膿んできたが大丈夫か」といった疑問はそちらで聞けます。ただし最終的な判断はかかりつけの小児科でお願いします。
予防接種以外の成長の節目については月齢別の赤ちゃんの発達が次に読む記事として向いています。
最後にひとつ。定期接種は、赤ちゃんに用意できる健康の備えのなかでも特に確実なもので、しかも費用がかかりません。予診票を手元に置き、母子健康手帳を最新にしておき、気になることは遠慮なく小児科で聞いてください。
この記事は一般的な情報提供を目的としています。接種の可否や時期の判断は、必ずかかりつけの医師と行ってください。
よくある質問
生後2か月にはどのワクチンを接種しますか。
定期接種のスタート地点で、ロタウイルス、B型肝炎、小児用肺炎球菌、五種混合(ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ・ヒブ)の1回目を同時に接種するのが標準的です。複数を同じ日に打つことは安全性が確認されていて、免疫の付き方が弱まることもありません。むしろ守られていない期間を短くできます。
BCGはいつ接種しますか。
定期接種としてのBCGは1歳になるまでが対象で、標準的な接種時期は生後5か月から8か月未満です。日本では管針法という方式を使い、上腕の外側2か所にスタンプのように押し当てて接種します。接種から1〜2か月ほどたつと赤くなって膿のようなものが出ることがありますが、これは予定どおりの反応で、その後かさぶたになって小さな跡が残ります。
1歳になったらどのワクチンを接種しますか。
誕生日を迎えたらできるだけ早く、MR(麻しん・風しん混合)の1期、水痘の1回目、五種混合の追加、小児用肺炎球菌の追加を接種します。おたふくかぜは任意接種ですが、この時期にあわせて受ける家庭が多くあります。麻しんは感染力が非常に強く重症化もしやすいため、1歳の誕生日は待たずに予約を入れておく価値があります。
予防接種は無料ですか。
定期接種は公費負担なので、お住まいの市区町村が委託している医療機関で受ければ自己負担はありません。母子健康手帳と一緒に、または後日郵送で届く予診票を持参します。一方、おたふくかぜやインフルエンザなどの任意接種は自己負担です。ただし自治体によって助成がある場合があるので、市区町村の案内を確認してください。
接種の予定を逃してしまったらどうすればいいですか。
慌てなくて大丈夫です。最初からやり直しになることはありません。かかりつけの小児科に連絡して、そこから続きを組み直してもらってください。間があいても、それまでに打った分の効果が消えるわけではなく、守られていない期間が延びるだけです。ただしロタウイルスだけは開始できる月齢に上限があり、1回目は生後14週6日までに済ませる必要があります。これだけは遅らせないでください。
接種後の発熱は心配ありませんか。
接種した部位の赤みや腫れ、軽い発熱、いつもより機嫌が悪いといった反応はよくあることで、たいていは1〜2日でおさまります。ただし生後3か月未満の赤ちゃんの38度以上の発熱、40度近い高熱、何時間も泣きやまない、けいれん、ぐったりして反応が鈍いといった場合は、様子を見ずにすぐ受診してください。夜間や休日は小児救急電話相談(#8000)が使えます。
この内容は一般的な情報提供を目的としており、医師の診断や助言に代わるものではありません。ご自身と赤ちゃんの健康については、必ずかかりつけの医師・助産師にご相談ください。
このガイドを手元に
Baby Wallieなら妊娠と育児をひとつのアプリで。AIによるプログラム、授乳・睡眠の記録、予防接種スケジュール、成長曲線まで揃っています。