2026年6月17日·更新日: 2026年8月8日·1 分で読めます·Baby Wallie

妊娠中の食事|葉酸・鉄分と、避けたい食べもの

要点: 妊娠中に必要なエネルギーは、思われているほど増えません。日本の基準では初期でプラス50kcal、後期でもプラス450kcalです。大事なのは量より中身で、葉酸は妊娠3か月頃まで1日400マイクログラム鉄は妊娠中期以降にはっきり増やす必要があります。避けたいのは、生ものと未殺菌の乳製品、水銀の多い魚、レバーのとりすぎ、そしてアルコールです。体重の増え方には、妊娠前のBMIごとの目安があります。

妊娠中の食事は、自分の体のためにも、赤ちゃんの育ちのためにも意味を持ちます。「何を食べればいいのか」「何を避ければいいのか」を、日本の指針にそって整理します。

「2人分食べる」は正しくない

いいえ。よく言われる割に、妊娠中にエネルギーの必要量はそこまで増えません。日本人の食事摂取基準では、妊娠していないときに必要な量に加えて、

  • 初期(〜13週): プラス50kcal
  • 中期(14〜27週): プラス250kcal
  • 後期(28週〜): プラス450kcal

が目安とされています。後期のプラス450kcalでも、おにぎり1個と牛乳1杯くらいです。つまり、量を増やすことより、同じ量でどれだけ必要なものをとれるかが問題になります。

葉酸:いちばん早く必要になるもの

葉酸は、赤ちゃんの脳と脊髄がつくられるときの、神経管閉鎖障害のリスクを下げるはたらきをします。厚生労働省は、妊娠を計画している段階から妊娠3か月頃まで、通常の食事に加えてサプリメントなどから1日400マイクログラムをとることを勧めています。

ここで大事なのは時期です。神経管が閉じるのは妊娠6〜7週頃、多くの人が妊娠に気づくかどうかという時期です。だから「妊娠が分かってから」では少し遅く、妊娠を考え始めた時点からが理想です。もちろん、気づいた時点から始めても意味があります。

食事からは、ほうれん草や小松菜などの青菜、ブロッコリー、枝豆、納豆、いちご、のりなどにも含まれます。ただし食事からとる葉酸は吸収率がサプリメントより低いので、400マイクログラムを食事だけでまかなうのは現実的ではありません。

過去に神経管閉鎖障害のあった妊娠を経験した方は、必要な量が大きく変わることがあります。自分で量を決めず、必ず医師の指示に従ってください。

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鉄:中期からはっきり増える

妊娠すると血液の量が増えるので、鉄の必要量が上がります。日本の基準では、妊娠初期で1日あたり2.5mg、中期・後期では9.5mgの上乗せが推奨されています。妊娠していないときの推奨量とあわせると、中期以降は1日16mg前後になります。これは食事だけでは届きにくい量です。

  • ヘム鉄(赤身の肉、レバー、かつお、まぐろ、あさり)は吸収がよいです。
  • 非ヘム鉄(小松菜、ほうれん草、豆腐、納豆、ひじき)は、ビタミンCと一緒にとると吸収が上がります。食後にみかんやキウイを添える、レモンを絞る、といったことで変わります。
  • お茶やコーヒーのタンニンは鉄の吸収を邪魔します。食事のときの飲みものは水か麦茶にして、お茶は食間にすると効率がよくなります。

貧血があるかどうかは妊婦健診の血液検査で分かります。サプリメントや鉄剤を飲むかどうかは、その結果を見て医師が決めます。自己判断で始めないでください。

そのほかに気をつける栄養素

栄養素考え方
カルシウム日本では妊婦への上乗せは設定されていませんが、推奨量の1日650mgを満たすことが大切です。牛乳、ヨーグルト、小魚、豆腐、青菜から
ビタミンD妊婦の目安量は1日8.5マイクログラム。魚ときのこ、そして日光に少し当たること
ヨウ素日本は海藻からとる量が多く、とりすぎに注意が必要です。昆布だしや昆布の常食が続く場合は控えめに。妊婦の上限量は1日2,000マイクログラム
ビタミンAレバーやうなぎに多く含まれますが、妊娠初期のとりすぎは避けます。レバーを毎日食べるような食べ方はしないでください
たんぱく質中期でプラス5g、後期でプラス25gが目安。魚、肉、卵、大豆製品、乳製品をまんべんなく
食物繊維と水分妊娠中は便秘になりやすくなります。野菜、海藻、きのこ、水分をこまめに

サプリメントを重ねて飲むと、知らないうちに上限を超えることがあります。特にビタミンAとヨウ素は要注意です。何を飲んでいるかを妊婦健診で伝えてください。

避けたほうがよい食べもの

生もの・未殺菌のもの(リステリア、トキソプラズマ、食中毒)

妊娠中はリステリア菌に感染しやすくなり、感染すると赤ちゃんに影響が及ぶことがあります。次のものは避けてください。

  • 未殺菌の牛乳とそれで作られたナチュラルチーズ(カマンベール、ブルーチーズ、ウォッシュタイプなど)。加熱すれば食べられます。プロセスチーズは問題ありません。
  • 生ハム、スモークサーモン、パテなど、加熱せずにそのまま食べる食肉加工品。
  • 加熱の足りない肉。トキソプラズマの感染源になります。レアのステーキやローストビーフは避け、中心まで火を通してください。
  • 生卵を使ったもの(自家製マヨネーズ、ティラミス、半熟の卵かけごはん)。
  • 土のついた野菜はよく洗ってください。ガーデニングや猫のトイレの掃除では手袋を使います。

刺身や寿司については、日本の指針は魚そのものを避けるようには言っていません。魚は妊娠中に必要な栄養の大事な供給源です。ただし生ものである以上、食中毒とリステリアの可能性はあるので、新鮮なものを、量を控えめに、というのが現実的なところです。心配なら加熱した魚を選んでください。

水銀の多い魚

厚生労働省は、妊婦向けに魚の食べ方の目安を出しています。魚は水銀を含みますが、種類によって量がかなり違います。

  • 週に1回、80g程度まで: キンメダイ、メカジキ、クロマグロ(本まぐろ)、メバチマグロ、マッコウクジラなど
  • 週に2回、80g程度まで: キダイ、マカジキ、ミナミマグロ(インドまぐろ)、ヨシキリザメ、クロムツなど
  • とくに制限のないもの: サケ、アジ、サバ、イワシ、サンマ、タイ、ブリ、カツオ、ツナ缶

つまり、ふだんよく食べる魚の多くは気にしなくてよく、注意が要るのは大型の魚です。魚を避ける必要はありません。DHAやEPAは赤ちゃんの発達に必要なものです。

アルコール

妊娠中に安全な量のアルコールはありません。 ノンアルコール飲料に切り替えるか、やめてください。料理酒やみりんは加熱でほとんど飛ぶので、通常の調理で使う分には問題ありません。

カフェイン

日本には公的な上限値がありませんが、海外の機関の目安として1日200mg程度までがよく紹介されています。コーヒー1杯(150ml)でおよそ90mg、紅茶1杯で30mg、玉露は100mlで160mgとかなり多めです。エナジードリンクにも入っています。麦茶、ルイボスティー、そば茶にはカフェインが入っていません。

体重の増え方

日本では、妊娠前のBMIごとに増加量の目安が示されています。

妊娠前のBMI体重増加の目安
18.5未満(低体重)12〜15kg
18.5以上25未満(ふつう)10〜13kg
25以上30未満(肥満1度)7〜10kg
30以上(肥満2度以上)個別に判断(おおむね5kgまで)

以前はもっと厳しい指導がされていた時期がありますが、増えなさすぎることにもリスクがある(赤ちゃんが小さく生まれやすい)ことが分かり、2021年に見直されました。増える速さも見られるので、健診のたびに一緒に確認してください。

時期ごとに変わること

初期は、つわりで食べられないことがあります。この時期に大事なのは栄養バランスより、水分がとれていることと、葉酸を続けることです。食べられるものを食べられるときに、で構いません。氷、冷たいそうめん、ゼリー、果物。それだけの日があっても大丈夫です。

水も飲めない、体重が減っていく、というときは妊娠悪阻の可能性があります。我慢せず産婦人科に連絡してください。

中期は、いちばん食べやすい時期です。たんぱく質とカルシウムを意識して、鉄も本格的に足していきます。

後期は、胃が押されて一度にたくさん食べられなくなります。1日3食にこだわらず、少量を回数多く、が楽です。逆流や胸やけがあるときは、寝る2〜3時間前に食べ終える、食後すぐ横にならない、といったことで軽くなります。便秘対策として食物繊維と水分も忘れずに。

週数ごとの流れ全体は週数ごとの妊娠ガイドにまとめてあります。いま何週かは出産予定日の計算で確かめられます。

1日の食事の組み立て方

決まった献立を守るより、1日を通して次のものが入っているかを見るほうが続きます。

  • 主食(ごはん、パン、めん)を毎食
  • 主菜(魚、肉、卵、大豆製品)を1日3回程度
  • 副菜(野菜、いも、海藻、きのこ)を1日5皿程度
  • 牛乳・乳製品を1日2回程度
  • 果物を1日1回程度

厚生労働省の「妊産婦のための食事バランスガイド」も、この形でまとめられています。完璧を目指す必要はありません。1週間で見てだいたいそろっていれば十分です。

記録しておくと健診が楽になる

体重、飲んでいるサプリメント、気になった症状を書き留めておくと、妊婦健診で聞かれたときに答えられます。Baby Wallieの妊娠管理では、週数、体重、血圧、症状を同じ場所に記録できます。食事についての一般的な疑問はWallie AI日本語で聞けば、日本語で返ってきます。

正直にお伝えしておくと、アプリの表示言語は英語とトルコ語のみで、日本語の画面はありません。またアプリの食事の提案は日本の食材と献立を前提に作られていないので、日本の食事については、このサイトの記事とガイド、そして妊婦健診での栄養相談を頼りにしてください。

食事に体を動かすことを足したい方は、妊娠中にいちばん役に立つ2つ——骨盤底筋と呼吸——を妊娠中の骨盤底筋トレーニングと呼吸法にまとめました。妊娠が分かったばかりの方は妊娠の兆候はいつから出るかもどうぞ。

食事の計画やサプリメントについては、必ずかかりつけの産婦人科に相談してください。この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、医師の診察に代わるものではありません。

よくある質問

妊娠中はどれくらい多く食べればよいですか。

「2人分」は正しくありません。日本の食事摂取基準では、妊娠初期はプラス50kcal、中期はプラス250kcal、後期はプラス450kcal が目安です。後期でもおにぎり1個と牛乳1杯くらいの差です。量よりも、何をとるかのほうが大事になります。

葉酸はどれくらい、いつまでとればよいですか。

妊娠を計画している段階から妊娠3か月頃(妊娠12週頃)までのあいだ、食事に加えてサプリメントなどから1日400マイクログラムをとることが厚生労働省から勧められています。神経管閉鎖障害のリスクを下げるためのもので、いちばん大事なのは妊娠のごく初期です。過去に神経管閉鎖障害のあった妊娠を経験した方は量が変わることがあるので、自己判断せず医師に相談してください。

妊娠中に避けたほうがよい食べものは何ですか。

生や加熱の足りない肉と卵、未殺菌の乳製品とナチュラルチーズ、生ハムやスモークサーモンなどそのまま食べる加工品、水銀の多い一部の魚、レバーのとりすぎ、そしてアルコールです。カフェインも量を控えめにします。日本では昆布の食べすぎによるヨウ素のとりすぎにも注意が必要です。

妊娠中の体重は何キロ増えてよいですか。

妊娠前のBMIによって目安が違います。厚生労働省の指導の目安では、BMIが18.5未満で12〜15kg、18.5以上25未満で10〜13kg、25以上30未満で7〜10kg、30以上は個別に判断(おおむね5kgまで)とされています。増える速さも見られるので、妊婦健診で一緒に確認してください。

鉄のサプリメントは必要ですか。

妊娠中は鉄の必要量がはっきり増え、食事だけでは足りなくなる方が多くいます。飲むかどうかは血液検査の結果を見て決めます。鉄はビタミンCと一緒だと吸収がよくなり、お茶やコーヒーのタンニンと一緒だと吸収が落ちるので、飲む時間をずらすとよいです。

この内容は一般的な情報提供を目的としており、医師の診断や助言に代わるものではありません。ご自身と赤ちゃんの健康については、必ずかかりつけの医師・助産師にご相談ください。

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